日本計量新報 2015年8月23日 (3069号)4面掲載
政孝とリタ
東京計量士会 岡和雄 |
今年4月朝の連続ドラマ「マッサン」で有名になりました北海道余市に旅行してまいりました。宿泊したのは、数年前サミットが開催された「ザ・ウィンザーホテル洞爺」。このホテルは洞爺湖を一望できる山の上にあり眺望が絶景の場所なのですが、欠点はもし病気になった場合、病院がとても遠いという点でした。何事もなく一夜を過ごし、翌日待望のニッカウヰスキー余市工場を訪れました。あまり観光化してない点が特徴で、美味しいウヰスキーの試飲もあり、薫り高いスコットランドウヰスキーの一端を垣間見るような味でした。
この物語は、ニッカの創立者竹鶴政孝と妻のリタがスコットランドで出会い、極東のこの日本で結ばれたところから始まります。政孝は、国産初のウヰスキーを造るべく樽熟成に欠かせない湿潤で冷涼な地ここ余市で蒸留所を作りました。途中幾多の困難に会いましたが、これを乗り越えウヰスキー造りに邁進し夢を成し遂げていきました。この芳醇な味の原酒はこれから、百代にわたり末裔の人々に愛され、受け継がれていくことでしょう。ここにそれを記念して漢詩一題を作ってみました。
ぜひ一度、皆様も機会があれば行ってみてはいかがでしょうか。
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漢詩 政孝とリタ
作詞 岡千風
政孝と麗人極東で結ばれ
蒸留と余市熟成の夢
艱難辛苦原酒を生む
百代の芳醇末裔に逢ふ
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政孝麗人結極東
○●○○●●◎
蒸留余市熟成夢
○○○●●○◎
艱難辛苦生原酒
○○○●○○●
百代芳醇末裔逢
●●○○●●◎
(編集部注:漢詩内の「○」、「●」、「◎」は、平仄(ひょうそく)〔発音のルール〕や押韻(おういん)の韻律を表したもの。「○」は平声(ひょうしょう)、「●」は仄声(そくしょう)、「◎」は押韻字を示す)

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